令和6年10月6日(日)、第37回寺子屋サルーンを開催しました。
テーマは、超高齢社会体験ゲーム『コミュニティコーピング』~みんなで協力して社会的孤立を解消しよう!~」です。
◤コミュニティコーピングとは?◢
現代社会の大きな課題の一つである、孤独と孤立。その問題の解決策として、社会的処方という考え方があります。
イギリスから世界各国に広まったこの取り組みは、様々な悩みを抱え孤立する人々に対し、橋渡し役となる人材が地域資源(例えば専門家、詳しい知人、ボランティア活動、趣味サークルなど、人や活動の場)を処方することで、ウェルビーイングの向上を図るものです。医療だけでは解決できない孤独や不安を和らげる効果があるとされています。少し難しく聞こえるかもしれませんが、実は誰にでも、この橋渡し役を担うことができます。
そんな社会的処方の取り組みを楽しく学ぶことができるボードゲームが、『コミュニティコーピング』(一般社団法人コレカラ・サポート 企画・開発)です。
◤実際にゲームを体験(1回目)◢
プレイヤーは地域住民の一人になりきって、他のプレイヤーと協力しながら、自分の得意とすることやつながりを駆使して住民の悩みを解決していきます。
具体的な行動は、【コーピング】【つながり】【処方】のたった3つ。自分のターンにいずれかの行動を行い、グループ全員のターン終了時に、未解決の問題が一定数溜まってしまうとゲームオーバーです。
【コーピング】
英語で「対処」を意味します。ここでは、住民カードをめくり、その人のプロフィールや具体的な悩みを知る傾聴行動を指します。
【つながり】
様々な得意ごとを持つ人材カードから、つながりを増やします。
【処方】
悩みが明らかになった住民に対し、悩みの種類やレベルに応じた人材カードを処方します。
まずはお試しとして、ルールを確認しながらグループごとにゲームを行いました。
始めはみなさん順調に進めていましたが、ターンが進むにつれ、未解決の問題が増えていきます。
住民の悩みと手持ちの人材カードがかみ合わず、なかなか処方ができないようです。
ゲームクリアとなるターン数にはまだまだ届かない段階で、どちらのグループもゲームオーバーとなってしまいました。
みなさんに1回目のゲームを振り返ってもらうと、人手不足やバランスの悪さが敗因であると感じたようです。
◤ゲームを体験(2回目)◢
反省を踏まえて、2回目のゲームにチャレンジしてもらいました。
1回目よりもグループ内での相談が増え、役割分担や人材のバランスを調整している様子です。
自分の行動やつながりだけでなく、他のプレイヤーが持っている人材や行動も把握し、慎重にゲームを進めていきます。
どちらのグループも会話や協力が増えたことで盛り上がり、1回目よりも長くプレイすることができましたが、残念ながらクリア目前でゲームオーバーとなりました。
少しの意識から始められる「社会的処方」ですが、その取り組みには一人ひとりの行動と橋渡し役の協力が必要であり、多くの課題解決は一朝一夕にはいかないことがわかりました。
今回は、高校生から80代まで様々な年代と地域で活動されている方にご参加いただき、社会的処方を体験するだけでなく、ゲームを通じて楽しく多世代交流できました。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!